木ノ実ヤ塚から薊岳、明神平 (Oct.19, 2003)

薊岳


 久しぶりに明神平へ行きたくなった。どのルートで行こうかと考えるうちにふと、2000年11月の僕たちの初めてのオフを思い出した。

 やはた温泉で待ち合わせた。下のテント場に三重ナンバーの車があった。RINさん、Tohruさん、美波さんが撤収中だった。DOPPOさんももう来ていたと思う。円さんは、僕を見て「どっかで会うたように思うけどなぁ」と。たぶんこの手でナンパしているのにちがいない。差配師虎さんも野球帽を被って登場。森の音さん、HAMAさん、モリザネさん、倍金満カズさん。安芸さん、雪さん、ハジメちゃん。穂高三姉妹に、梓さん、旅人さん。こでさんにこまくささん。
 
 円さん調達の食材を各自分担し、麦谷林道の木ノ実ヤ塚の登山口では、薪をひと抱えずつ担いだ。旅人さんはザックにひとつと両脇にひとつずつ合計三つ抱えてはった。さすがに手がしびれると言って、僕がひとつ手伝ったのだった。
 薊岳では、酒がこぼれてしまったらしく、円さんはザックが酒臭いとゆうてはった。

 薊岳から明神平の前山への稜線を歩いていると鹿の鳴き声が聞こえた。たしかこでさんが、「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の・・・」。梓さんは、疲れもせずによう喋っていた。Tohruさんを知っていたらしい様子だったが、これは以前に会ったことがあるのではなく、ネット上のどこかの掲示板で知り合いだったようだ。

 食材を水洗いした天理大奥の水場から帰ると、まえだ こさんが来ていた。ずいぶん暗くなってからよし庵さん到着。
 倍金満カズさんは口角泡を飛ばしていた。こでさんは慣れた手つきで焼き鳥を焼いてくれた。円さんとこまさんはなにやら難しい話をしていたぞ。

 おそらく僕はこのメンバーでは最年少の部類だ。まだHPも持っていない頃だった。ずいぶんおおぜいの参加だったが、このとき初めてみなさんとお会いしたことになる。

 円さんの掲示板で文章でそれぞれをイメージしていたがどなたも見事に外れてしまった。
 安芸さんは、なんだかおばさんおばさんした人かと思っていたけれど、なかなかどうして活発な美人だった。後頭部でこちんだけれど。
 HAMAさんはまさにネットアイドル。そやけど、けっこう大陸的な人だということがだんだんとわかってきた。
 後々、はるか雲の上の全国区になってしまう梓さんと、安芸さんと僕は、この年末にバタバタとHPを立ち上げたのだった。
 DOPPOさんはこのときやけに髪が黒々してたけれど、あれはひょっとして・・・。(^O^)
 まえだ こさんとも初対面だったが、なにかこの人には懐かしさがある。
 以来もう丸三年になる。
 というわけで、今回はそのときのコースをなぞってみることにした。

 本多俊之の「Spanish Tears」を聴きながら上に書いたようなことを思い出しながら車を走らせる。気分としてはもう涙袋の紐がゆるゆる状態である。
 吉野川を消防署のところで左折し、高見山への分岐で右折。彦兵衛さんちの前を通り、丹生川上神社中社を過ぎる。どうやら今日は祭りらしく露店の準備中だった。
 やはた温泉を過ぎ、麦谷林道へ。登山口には数台の車が泊まっていた。

09:50
 軽いザックでゆっくりと登る。記憶ではかなりな急登もあったはずだ。最初のピークから左へ尾根は続いている。

10:20
 木ノ実ヤ塚。
 そうそうあの時はここで昼食だった。
 ここから薊までの途中で集合写真を撮ったのだった。そういえばあの時は森の音さん、三脚を持って来てたなぁ・・・。
 紅葉にはやや遅かったような気もしつつ、好天の稜線歩きを楽しむ。右には明神岳が見える。

11:05
 薊岳。案外早く着いた。ここまでにしておこうと思って来たのだったが、「じゃあ」と時間が許すまで写真を撮りながら明神平を目指して歩くことにしよう。
 最近またもや出入りしはじめた古代史へのレスポンスのことや、先週の京都のことなどをいろいろと考えてみたりする。

11:55

前山より

 あらあら。とうとう前山まで来てしまった。
 眼前のスロープを経て向かいに明神岳が見える。左は桧塚奥峰かもしれない。
 すっきりとした見晴らしはなんとも気持ちがいい。気分も体もなかなかしゃきっとしなかったけれど、やっぱり来てよかったとつくづく思う。
 ここでお昼にする。この前山にも、下の平坦なところにも、明神平にも、そして国見山への登りにも、きょうはおおぜいの人たちである。

 ごはんの後、明神平へ下りて、天理大小屋から水場までの椈林を見に行く。紅葉はどうだろうか?
 「うーん、若干遅かったかな?」
 

明神平の椈林

 再び同じ道を引き返す。
12:30 前山。
13:40 薊岳。
14:45 下山。

 帰りはサザンを聴いた。
 丹生川上神社ではちょうど祭りが終わった頃らしく、だんじりが通るまで待つことになり、神社前は通行止めのために迂回。再び東吉野の慣れた道に戻る頃、「Love Affair−秘密のデート」がかかった。
 この曲には思い出がある。ちょうど、第一回目のオフの後ではなかったかと思うが、円さんのHPのBGMになっていた。
 だからこの曲を聴くと、あの頃を思い出してしまう。
 老眼が進んで、ルーペを当てないとジャケットの文字が読めなくなってしまったけれど、こんな一節がある。
 「好き合うほど 何も構えずに 普通(ただ)の男でいたい」 














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