小天・大天・岩屋峰 (Feb.28, 2004)

 気心の知れた仲間と行くのもすごく楽しいし、パーティを組んでこそできる山行もある。
 一方で一人の山歩きもまたじつにいい。後にも先にも誰もいない。純粋に一人になれる。それがいいのだと思う。
 
06:40 洞川着。
 久しぶりの早起き。
 小南峠から尾根伝いに小天井、大天井、岩屋峰、大原山とぐるっと回って洞川の予定である。
 昨年の轍を踏むまいとアイゼンもワカンもザックに入れた。時間もかかるだろう。
 だから五時過ぎには自宅を出た。まだ暗かったが雲はない。フロントガラスはわずかに凍っていて、お湯で溶かした。こういう日は間違いなく晴れる。予報でも日中の気温は上がりそうだ。いわゆる放射冷却現象である。

 龍泉寺の前を通り、吊橋の下をくぐる。日陰には雪は残っていたし、凍結も見られたが、青空だ。
 地図を見ながら林道を登る。上には稜線が見える。あそこまで行って稜線に乗ればいい。
 とうとうトンネルまで来た。手前に登山道らしきものもなかったからトンネルをくぐる。真ん中あたりではさすがに真っ暗だった。

小南トンネル 稜線の分岐


08:05
 トンネルを抜けると左にテープがあった。セーターを脱ぐ。5分ほどで稜線に出た。
 右へ行けば扇形山だろう。左へ、稜線に沿う。雪はなく、杉木立の間から日が射している。展望はなかったけれど、明るく静かな道だ。
 地図では稜線沿いの一本道だが、実際に歩いてみるといくつか支尾根がある。何度か迷い引き返してテープを捜すことであった。
 いくつかピークを過ぎたけれども、高山、小天井がどれであったかわからなかった。
 左に四寸山が見えた。その稜線をたどるとどうやら次のピークが大天井かと思われた。
 四寸山からの稜線の向こうに見えるのが大所山への稜線だ。

杉木立の中を歩く 四寸岩山


 雪がぐっと締まった急登にさしかかる。結局アイゼンを履かずに登ると見覚えのある大天井のわずかに下に出た。

もうすぐ大天井ヶ岳山頂 山頂―奥に葛城山・金剛山


10:30 
 ほどなく山頂。
 吉野の町並みの向こうに葛城山・金剛山が見えた。
 好天。ザックに腰掛けお茶を飲む。

 岩屋峰へ向かう途中、稲村ヶ岳が見慣れない角度で見えた。

稲村ヶ岳 山上ヶ岳

11:40
 岩屋峰。
 山上ヶ岳が見渡せる。
 少し下りて、雪のない日当たりのいいところで昼ごはん。
 急斜面を下ると、大原山展望台。洞川の町並み、観音峰、山上方面が見える。ここまで下ればもうあとはわずかだ。風もあったが寒くはなかった。むしろ汗をかいた体には心地よい。山ももう春なのだ。

13:10
 吊橋。「かりがね橋」。渡って面不動鍾乳洞の方へ。
13:40
 洞川温泉駐車場。