秋の芦生―長靴大活躍の巻 (Nov.7, 2004)

 panaちゃんから芦生のお誘いをいただいた。
 「長靴必携やで〜」

 持ってへんっちゅうに。
 しょうがないから前日、近くのホームセンターへ。
 中へ入るとやたら広い。
 「長靴とかあります?」
 店員さんが指を差して、「あの向こうの奥の23番売り場に」。
 僕は、「長靴とか」の「とか」は変だったかな?と思いながら奥の23番売り場へ向かった。

11月7日(日)
 朝、5時45分に自宅を出ると、外はまだ暗い。夏の間は4時にはもう明るかったのに。
 夜露に濡れた車の窓を拭いて、エンジンをかける。
 「さあ行こう」
 天王山トンネルを抜け、京都南のインターが近づく頃、右にくっきりとした輪郭の大きな赤い太陽が見えた。今から考えると、薄雲のフィルターか、水蒸気のフィルターがかかっていたのかも知れない。

07:10 真野インターを下り、すぐそばのコンビニへ。ほどなく、旅人さん、panaちゃん、どんさん到着。
 僕の車を蓬莱登山口そばの駐車スペースに停め、旅人さんの車に乗せてもらう。

 朽木に入る頃からぼそぼそと雨になった。
 「あらあら、予報では晴れマークだったのにね」

08:30 登山口で長靴を履き、雨具を着ける。
 地蔵峠までの林道から中山神社、丸木橋を渡りながら長靴の感触を確かめる。底が柔らかい分、道の凹凸をそのまま感じるが、ホールド感はよさそう。滑りにくい。

 野田畑湿原を巻いて、野田畑谷への分岐の手前で渡渉する。
 5月の下旬に来たときは橋が架かっていたけれど、台風の影響なのか流されていたから、川の中を渡る。さっそく長靴の威力である。おかまいなく渡る。
 きれいな紅葉を左に見て、写真タイムである。しっとりと濡れて色が映えている。
 ここで雨具を脱いだ。

秋の芦生 岩谷、日が射してきた

 前回、杉尾峠まで行ったからこの道は覚えていた。
 大きなトチの木を過ぎ、ブナの大木を過ぎたところで右に入る。
 「ふうん、こっちにも入れるんだ」
 芦生ビギナーの郭公である。
 岩谷もまた緩やかな谷、何度か水の中に入りながら逍遥した。
 引き返す頃日が射してきた。

ふうふう言いながら。唯一の登りだったかな。 下谷への下り。つま先がつんつんした。

 今度は枡上谷を遡上する。ここでも長靴が大活躍。
 演習林だから、谷の中に幾つもの研究のための落ち葉の採集施設があった。
 大きな倒木から左の細い谷に入り、稜線へ登る。
 ふうふう言いながら、狭い溝をガリガリと登り稜線に出たところでやや早めのお昼。
 いつもだとコンビニ弁当で済ますところだけれど、気温も低い時期だからとそれに加えてうどんも持ってきた。
 panaちゃんからナナカマド酒をいただく。
 3月、霊仙でもいただいたがそのときよりも熟成していて、まったりと美味しかった。
 多忙で風邪気味だった旅人さんは防寒用に雨具を着込む。
 
 稜線伝いにP803から次のピークへ。
 尾根はふたつに分岐していて、右のかなり急な尾根を下った。つま先がツンツンした。
 ほどなく穏やかな尾根道になり、車の音や人の声が聞こえ、すぐ林道に出た。
 そこから沢に下りると、大きなトチの木があった。
 さらに沢沿いに下る。カツラの大木がふたつあった。

トチノキ平にて。 カツラの保存木

 僕たちは沢の流れに沿って長治谷に向かっているけれども、反対方向の野田畑湿原を流れている川も長治谷方面へ流れている。

ふたつめのカツラの木にて 上谷、下谷の合流点

 「そやねん、それが合流して由良川になるねん」
 その合流点があった。
 この下流にもいいところがあるらしい。



panaちゃん:芦生、上谷・下谷周辺歩き

どんさん:秋の芦生の森逍遥