モノクロームの明神平 (Jan.22, 2005)

 年末年始はゆえあって閉じこもっていた。やっておきたい事があったからだが、なかなか予定通りには捗らない。決して無為だったわけではないが、どうやら身体を動かさないと発想にも乏しくなるし、考えもうまくまとまらないようだ。
 
 今回は雪の明神平に行ってみよう。林道の凍結が心配だから、タイヤチェーンを積む。 「取説はどこだったかな?」
 かつて、天川で装着したことがあるだけなのだ。

 笹野神社から奥に700mほど入った取水場の駐車場で待ち合わせ。そこまでは、融雪剤のおかげもあったのか雪はなかったが、ところどころ凍結はしていた。
 待ち合わせ場所には、panaちゃん、旅人さん、たろーさん、安芸さん、はじめちゃん、みゆきさんがすでに到着。
 ここからさらに奥のへリポートのある駐車場へはチェーンが必要だ。
 取説を見ながら、チェーンを巻いていると、せきやん到着。「おお!」。
 円さん、のんぶー到着。

 二台に分乗し林道を詰めると雪は徐々に深くなり、二台前の車がついに立ち往生してしまった。スタッドレスを履いている。総出で後ろを押してやることであった。
 それを過ぎたあたりで今度は僕の車が立ち往生。左の車輪に巻いたチェーンが切れてしまっていたのである。チェーンを通しているワイヤのつなぎ目が切れていた。巻き方がうまくなかったようだ。
 どうしたものかと思案する間もなく、はじめちゃんが「じゃあ、押しましょう」と運転を代わってもらって、これまた総出で押すことであった。駐車場がすぐそばだったのがさいわいだった。

登山口周辺 明神滝の下あたり

 登山口の積雪量は20cmくらいだった。
 すでに数台駐車していて、トレースも付いていた。
 旧あしび山荘を過ぎ、明神滝を過ぎ、谷に架かる橋を渡ると白一色の世界である。
 つづら折れの山道のところどころでせきやんがショートカットし直登する。股下までの雪である。いったん付いたトレースに従えば比較的楽だが、僕自身も一本ショートカットしてみるとわずかの距離なのにかなり時間がかかってしまう。急斜面、深い雪のためになかなか先へ進めない。二本目は途中であきらめた。

明神滝 もうすぐ明神平
唯一のカラー写真 明神平

 明神平に着き、ズボズボと雪にはまりながら、天理大小屋裏で風をよけて昼ごはん。テルモスに熱いお茶こそ入れてきたが、食料は例によってコンビニのいなり寿司と巻き寿司である。
 日帰りのときは、荷物になるからとコンロ、コッヘルは持って行かない。アイゼン、ワカンは持って来たがそれでも荷物は軽い。過去数度の雪の明神平の経験の中でも今回が最も深かったせいもあり、予想以上に時間がかかった。
 デジカメは氷点下のために電池の活性が落ちてなかなかシャッターが切れない。
 電池を取り出し、「はあはあ」と息をかけたり、安芸さんに貰ったカイロに包んだりしながら数枚撮れただけであった。
 せっかくだから前山へと、みなさんはワカンを履き、スノーシューを履く。僕は手がかじかんでワカンを履くのも面倒。靴だけでスロープを登る。空は依然として曇っていて、一面モノクロームの世界であった。雪は一段と深く、周りの木々の枝は雪の重さで垂れ下がっている。
 ワカン組とスノーシュー組の足元を見ているとスノーシューの方が便利なようだ。
 

下山路にて 同じく下山路

 つづら折れの下りでは何本もそり滑りでショートカット。
 見上げると、日差しはなかったがやっと青空がのぞいていた。

 さて、雪道の林道。片一方だけのタイヤチェーンである。どうやって車を下ろそうか?
 Uターンするのにスリップして前へは進まない。バックしながら方向転換。
 1速、O/Dのスイッチを入れ、Snowモードのスイッチも入れる。下りだからアクセルを踏まなくてもスピードが出てしまう。そろっとブレーキを踏むと後輪がロックされているらしく左右に振れる。
 皆さんにサポートしてもらいながらようやっと雪道を抜けることができた。
 これもまたいい経験だった。

 吉野の中荘温泉で熱い湯に浸かりやっと生き返った気分だった。僕は他の人より寒がりなのかなぁ・・・。


円さん:明神平

panaちゃん:明神平 2005.1.22 曇り