旗尾岳、府庁山、ダイトレを根古峰、流谷 (Mar.26, 2005)

 十字峠から府庁山、田山を経て千早口へは何年か前に歩いたことがあるが、旗尾岳はまだ登ったことがない。十字峠からダイトレへもまだ歩いたことがない。根古峰から流谷へも下りたことがない。一日でぐるっと廻ってみよう。

08:25 天見駅下車。
 もうひと方、登山姿の方が降りられた。
 駅の裏から地図を見ながら旗尾岳への林道を歩く。
08:50 林道終点。
 「旗尾岳」の道標に従って山道に取り付く。
09:00 鉄塔。
 岩湧山が見えた。
09:05 旗尾岳。
 あらあらもう着いてしまった。
 携帯も通じるようだ。一本取りつつ、報告メール。
 携帯電話にはちっとも興味がなかったから仕事で持たされているのはともかく、自前で持つ気にもなれないでいたけれど、これもご時世なんだろうか、息子が今持っているのを別の某社のに変えたいと言っていたから、「じゃあついでに僕も」と種々割引の特典を利用して息子と一緒に買うことにした。3月初めのことである。PCで受信するメールを携帯に転送するように設定すると、なるほどなかなか便利である。いちいちPCを覗かなくても手許でわかる。文字入力にはまだまだ慣れないからずいぶん時間がかかってしまうけれど。

旗尾岳山頂 府庁山三差路

 府庁山へ細い道をたどると、左に先ほどの旗尾岳が見えた。下って登って右斜面が伐採された地点へ出る。ここには記憶があった。

10:05 登りきって府庁山三差路。
直前メールが入った。
 東京の相棒からだ。じつは出張でこっちへ来るから今夕飲むことになっていたが、急用で来れなくなったので、僕もきょう山へ出かけた次第である。
 09:53の発信で「今、高尾山山頂」と。僕は「高尾山好きやなあ。いま府庁山」と返信した。そうか、高尾山と府庁山で交信していることになるのか。少し感動した。時間に多少ずれがあったところをみると山中圏外の箇所があったのかもしれない。

十字峠

 十字峠へ下りる道にもかすかに記憶があったが、峠の手前から林道が通っていてびっくりした。こんなんとちゃうかったぞ。以前来た時は山道だったはずなのに。

10:40 十字峠。
 ここからダイトレへ向かうけれど、ずっと林道歩きだ。杣道がいくつも分岐していたが、テープが巻かれていて迷うことはなかった。ほどなくおひと方と出会った。どうやら天見駅で下りられた方だった。府庁山から千早口の方へ下りられるとか。この辺りは詳しいようで、やはり何度か道が付け替えられたとのことである。
 左に隠れ滝を見ていったん下ると道標があった。ずいぶん親切な道標である。地元の山友会によるもののようである。まっすぐ安全コースを歩く。

11:15 ダイトレとの合流点。
 シダの群生地を抜けて登り切ったところだった。
 ダイトレは何度か歩いたがここがその合流点だとはいままで気がつかなかった。

親切な道標 十字峠からダイトレへの合流点

 きょうは軽い靴を履いて来たし、小気味よく歩ける。陽射しもあり気持ちがいい。
 高校のワンゲルのパーティとすれ違う。金剛山で幕営だとか。
 稜線から山の神へ下りる階段も付け替えられトントンと下ると、単独のおじさん。

12:00 山ノ神。
 さすがに空腹。ここでお昼にする。地図を広げ、きょうの予定のコースをたどる。残りの距離と時間、なんとか行けそうだ。山ノ神から紀見峠まではコンクリートの道。紀見峠から再び山道に入る。ダイトレのコースだが、岩湧山の三合目まではまず人に会わないし、静かな道である。おひと方、鉄塔で休んでおられたようだ。今回のコースはマイナーなせいか単独者向きかもしれない。 僕も三合目へ登る長い階段の途中で一本。

井関谷、葦谷分岐

13:45 階段を登り終え尾根に出て左へ折れるとほどなく三合目である。
 さすがにここまで来ると三々五々の岩湧山からの下山者に会う。
 きょうは僕は山頂までは行かない。途中の根古峰から流谷へ下る。

14:00 根古峰。
 ピークも踏んでおこう。
 元へ戻って根古峰を北へ巻く。道はあるがあんまり人が通っているような気配ではない。葦谷と井関谷の分岐があるはずで、今回は井関谷を下るつもりである。
14:25 その分岐に着いた。するとあの親切な道標があり、「直進の井関谷は鋸と鋏に皮手袋と時間が必要です」とあった。
 鋸、鋏はない。手袋は皮ではないが冬用のがザックに入っている。時間はある。葦谷ならばだいぶ上まで林道が来ているから楽だろう。どうしようか。たぶん、ヤブコギを強いられることになるものと思われた。ヤブコギなら何度も経験している。行ってみるか。
 巻道を下ると尾根に出た。ここで少し悩んだ。尾根に沿った方がいいかもしれないと思ったが、テープは谷側に矢印つきで「井関谷」とあった。道はと言えば、いや道と言うより斜面をこそぐようにわずかに道らしく見えるだけである。ついにはそれさえも明瞭ではなくなった。尾根へ上がろうかとも思ったが、いっそのこと谷まで下れば道があるかもしれないと、滑りやすい斜面をずりずりと下ると、谷の源流にありがちな倒木帯である。足元さえおぼつかない。

井関谷上部 井関谷その2

 「あらあら」
 足元に用心しながら倒木を跨ぐ。どうやら向こう側がかすかに踏跡らしい。浅いところを向こうへ渡るとなんとか歩きやすくなった。再びこちら側へ渡り返しながら下ると堰堤があった。堰堤のヘリを下るとすぐ林道に出た。
 「ふう」、やっとこさ脱出である。
14:55 流谷林道。
 うららかな陽射しの中、天見駅まで。 

流谷