大普賢から七曜、行者還、一のタワ
(June 5,2005)

 シロヤシオに圧倒された。
 いかに花にも疎い郭公とは言え、これほど咲いていれば感嘆する。
 「ほんとすごいねぇ〜」
 この奥駈道は道そのものももちろんいい。例えばだが、トンネル西口から奥駈出合へ登り、10人のうちおそらく9人までが右の弥山へ登る。それもいいが、左へ、一のタワの方へ歩くと、ブナ林の穏やかな道である。静かな散策を楽しめる。しかもこの時期、花も咲いている。

 今回は、和佐又から大普賢、七曜、行者還を経て一のタワから論所の尾をトンネル東口へ下ることになった。

 ハラッチさん、DOPPOさん、タンタンさん、郭公は、朝五時半に川上道の駅でpanaちゃんと合流。
 行者還トンネル東口の通行止め手前の駐車スペースに一台をデポし、もう一台で和佐又へ。一時半には目が覚めていたせいか、車中まどろんでしまった。
 和佐又ヒュッテのお姉さん、「昨日はすごい夕立で」。
 7時を回って出発。身体はまだ半ば眠っている。上のテント場を過ぎ山道に入り、和佐又山、無双洞の分岐を過ぎるとブナ林は薄く霧の中だ。
 「めっちゃええやん」とpanaちゃんが言う。
 最初の岩屋に着く頃、ようよう身体も目が覚めてきたようである。 

 
岩屋の上部
シタンの窟。
 「シタン、どんな意味ですかね?」とT氏が聞く。
 「君、いったい、何したん? とちゃう?」
 朝日窟、笙の窟、鷲の窟と岩屋が続く。
 道には、鎖あり、ハシゴあり、岩壁を巻く橋も架けられている。大普賢はまさに岩山なのだ。
 山上ヶ岳からの奥駈道に合流すると山頂はすぐ上だ。
 D氏とT氏は巻道を探索。おそらく水太覗に出るのではないだろうか。
 山頂は9時半頃だったか。晴れてはいたがガスのために稲村も弥山方面も見えたり見えなかったり。
 山頂のシロヤシオ、花びらが下を向いている。
 「このシロヤシオ、みんなうつむいてるやん」
 「ウツムキシロヤシオと言うんや」(ほんまかいな)(^O^)
 ほどなく、D氏、T氏が水太覗側から登頂。
 一本取った後、奥駈を行者還方面へ下る。
水太覗の石楠花 奥駈道
 水太覗では以前幕営したことがある。石楠花満開の時期だったが、今回もまだまだたくさん咲いていた。高度があるためにやや遅いのかもしれない。
 ハラッチさんは「すごい、すごい〜」、panaちゃんは「めっちゃええや〜ん」を連発する。
稚児泊 知り合ひの某氏は「霊がゐる」と言ふ。
 鎖に捕まりながら慎重に岩壁を巻くと、稚児泊。水さえあれば格好の幕営地だが、知り合ひの某氏は「あそこには霊がゐる」と言ふ。
 小ピークをふたつほど越えたろうか、そろそろ昼ごはんにしようと話が出た頃、行者還の分岐に出た。「じゃあ、山頂で」。
 12時を回った頃、行者還岳山頂。
 昼食後、「行者還」の由来と思われる断崖を覗く。真下に小屋が見えた。

 ハシゴを下って小屋までの岩壁に水場がある。自宅のコーヒー用にポリタンを持って来たのだが、涸れていた。ここの水、頼りにしていたのに残念だ。
 新装の行者還小屋で一本取り、一のタワへ向かう。
 この道もとてもいい。冒頭にも書いたように、静かで穏やか。ブナ林の中を散策気分で歩ける。この時期は、林立するシロヤシオがまた素晴らしい。今回歩いてみて「こんなにあったの?」と思うほどだった。
 石楠花は原始的な花のように思える。なんだか強そう。緑の中のシロヤシオはあんまり目立たない、どちらかといえば日陰で咲く花のように思える。決して派手ではない。
 ツタの絡まるブナ林、足元はバイケイソウ。それにシロヤシオ。さらにはクサタチバナの群生。ところどころに黄色のヒメレンゲ。
 とてもいい時期にいい道を歩けて、僕自身、とってもよかったと思う。
 一のタワを過ぎて、論所の尾をトンネル東口の方へ下りた。
 
 僕の大半以上の山行は、この大峰・台高山系だが、金剛・葛城山系に次いで近いところにあるからと言うだけではないようだ。


panaちゃん:大峰・大普賢岳〜行者還〜一のタワの奥駆道 2005.6.05 

DOPPOさん:No,446 大普賢岳から行者還岳へ―花の奥駈道をトンネル東口へ