竜ヶ岳(大峰)―ワンステ尾直登 (June 18, 2005)

 ワンステ尾を直登すると竜ヶ岳へ行く。
 問題はすんなり行けるかどうかだ。滝の多い山域であるから尾根上にもクラがあり行く手を阻まれないともかぎらない。
 2003年の8月、昭文社の地図の破線に従って、このワンステ尾から右へ巻いて阿古滝の落ち口の上を対岸に渡りその尾根を伝って奥駈まで登ったことがある。
 だが、後で気が付いたことだが、ワンステ尾そのものを直登したほうが奥駈に出るにしても早いはずである。クラ[山/品]に阻まれたら引き返せばいい。

 上多古から右の林道に入り、上谷で林道周辺を観察。うまく登れたらの話だがどのルートで下ったものかまだ決めかねていたから下山地点を一応想定しておきたかったのだ。阿弥陀ヶ森から境界尾根を下る予定だがまっすぐ下れば上谷の林道分岐に着く。

08:50 上多古川河川敷駐車場を出発。
 林道には青大将と思うが、うようよいた。10匹以上は見たと思う。鳥肌が立った。思わず親指を隠した。きょうはこのまま帰ろうかと思ったくらいだ。
09:25 林道終点。鉄の網の橋を渡り、山道に取り付く。
 橋を渡ったところにある看板の地図では直登できそうである。
 記憶はかなり曖昧で、こんなとこ歩いたかな?と思い続けながら尾根に沿う急登を喘ぐ。尾根そのものは巨大な岩の連続である。

10:00 登りきって、1150m地点。
 道はここから阿古滝へ向かって巻く。ワンステ尾の尾根が目前に見える。ここから尾根に取り付いたほうがよさそうだ。
 一本取って、パンを食う。

1150地点。上部がワンステ尾 1150地点。阿古滝へ続く。

 伐採木を跨いだりよけたりしながら尾根に取り付くと踏跡らしきものはあった。ブッシュではなかったからかなり急登ではあったが普通に歩けそうだ。

10:30 11:10

 ここ二日ほど眠れない夜が続いたせいか身体が重い。右のふくらはぎが攣りかけた。あらら。すると左も攣った。じっと治まるのを待つ。
 眠れない夜、最近ワイドショーを賑わせている貴乃花騒動の記事やら掲示板やらに目を通す。私見だが、憲子元夫人、若貴の三人で話し合うのがまず第一だろう。憲子元夫人にも今回の騒動の責任はあるのだから、ここはひと肌脱いで二人を呼び、まず詫びを入れた上で、若貴の和解を促す。これができるのは二人の母である憲子元夫人しかいない。これを最初にやるのが筋であろう。角界で功成り名を遂げた若貴とはいえ、まだまだ30代前半の若輩なのだ。

11:40 山上ヶ岳 12:10
12:35 奥駈まであとわずか。 12:45 竜ヶ岳

 急登だったし、かなり長く感じられたがようよう奥駈の稜線が近づく。
 12時38分、ついに奥駈に出た。横切って竜ヶ岳へ。クラを回りこんで12時44分山頂。
 小笹の宿で昼ごはん。ポリタンに水を汲む。

14:00 阿弥陀ヶ森分岐。
 結界門から阿弥陀ヶ森ピークに登る途中で、今度は右太ももが攣った。左も攣った。負荷をかけないようにして1分、2分とじっとする。そういえば2003年の時も足が攣ったのだった。

13:00 小笹の宿 昼食 14:05 阿弥陀ヶ森
右:伯母谷覗へ。左:尾根道 14:40 初めて歩いたが、いい尾根道だった・・・

 この尾根も初めて歩くけれどはじめのうちは快適だった。
15:00 1350m地点で、尾根は左右に分かれる。
 右を取ればヌマ平、ミズノ平を経て上谷林道の上多古川と上谷への分岐点に下りる。途中のミズノ平を過ぎたあたりで右に下ることもできそうだ。車を上多古川の河川敷に停めていたからできれば上多古側へ下りたい。その思いがあったから、この尾根の分岐を左に取った。
 地図にある境界線はこの分岐から矢納谷へ下っているけれど、道そのものは見つけられなかった。あったとしても、谷まで下ったところでおそらく僕には歩けない。だから尾根に沿うことをまず第一に考えた。1051m地点は通過したと思う。古い伐採の跡もあるから人も入っているはずだし、ここへ来るのにはやはり林道のどこかから登っているはずだ。
 向かいに見える勝負塚方面のピークも上に見えるようになった。たぶんだが800mあたりまで下っていると思う。

15:30 とうとうこんなところを歩くことになった。 16:20 岩場の向こうは懸崖。

 さらに尾根に沿うと、あらあら、とうとうクラに捕まってしまった。先を覗くとストンと切れている。懸崖である。あちゃー。懸崖孤独とはこのことか。
 さて、どこまで戻ったものか。1300mまで戻るのはいくらなんでも気が重い。
 少し戻って、なんとなく踏跡らしき反対側を覗くと細かったがどうやら道らしきものがあった。「あった、あった」と気を取り直して歩いたものの、倒木を避けた際にまたもや道を失った。周りは比較的よく手が入った植林帯である。とにかく下ることが先決と思い、斜面をズリズリと下ると、コツンと道に当った。比較的広い道であった。「ふう」
 林道のどの辺りに下りれるんだろうと内心強がってみるが、なにはともあれほっとひと安心なのである。

16:35 幅広の道に出た。ラッキーだった。 16:55 ここで林道(上多古側)に出た。

16:55 林道。
17:25 河川敷駐車場。
 1350m地点の尾根の分岐を右に取ってヌマ平、ミズノ平を経た方がよかったな。