雨の弥山川・幻の双門の滝 (Oct.23, 2005) |
アラームより早く2時過ぎに目が覚めた。外は雨の音。
「あらら」
一人なら再び蒲団に入るところだが、RINちゃんはすでに現地に入っている。
3時半に自宅を出た。ワイパーを廻しながら夜道を走り、黒滝に着いてRIN号発見。
横に停めて安芸さん雪ちゃんにメールを書きかけるとちょうど電話がなった。雪ちゃんからだ。「いま橋本。土砂降りや〜」
RINちゃんと僕は待ち合わせ場所の天川村役場に移動。
5時15分。安芸さん雪ちゃん到着。
まだ暗いし、雨も降っている。
予報は曇りのち晴れだから、熊渡まで行って様子を見ることにする。
ようよう明けかかり、風に揺れる木の葉から落ちる雨滴が車の屋根を打つ。
「じっさいはそれほども降っとらへんで」
たしかに雨脚は弱くなっていて、「ほな行こか」
登山口から雨具を着け、6時20分。林道を歩き始めた。
河原に降り、この9月初めて歩いた弥山川、双門の滝コースを再び歩く。
あれから何度か思い返すとまた行ってみたくなるのだ。
怖いもの知らずの安芸さん雪ちゃんが「ぜひ」と言うし、RINちゃんも同様。
足元を滑らないようにだけ気を付けて山道に取り付く。
橋が雨にぬれずるずる滑る。欄干を持ち横歩きである。
沢を見ると前回より水かさが増していた。
飛び石を落ちないように渡るより、ザブザブと川の中を歩いた方が安全だ。
いきなり靴の中に水が入る。
沢横の岩場のへつりも一箇所は高巻いた。
もう一箇所は最後の足の置き場が水の中である。大きく一歩を出しても水に潜った。
橋が見える手前、前回同様左の岩場をよじって通過した。
ここまで来ればひと安心だが、僕はなにか得体の知れない不安感に包まれていた。
山道に対してではなく、仕事についてでもない、何か名状し難い不安感だった。頭が軽く冷え冷えとした感じと言えば近かったか。
二の滝・三の滝のつり橋から。 | とりあえず第一関門通過です。 |
滝の見えるつり橋で一本。
雨はやんでいたが、ガスに包まれガスが切れても曇りである。
ここからはハシゴの連続。
10:30
これでもかと言うほどハシゴを登り、ようよう滝見平へ。
双門の滝はあいにくガスの中だった。
じっと目を凝らすとようよう滝らしい一筋が見えた。
紅葉はといえばどうだったんだろう。これからなのか、常緑樹だけが残っていたのか?
尾根を登り、ここからの下りがまたややこしい。
急斜面に鎖が付いている。
紅葉、とはいえまだ少なかった。 | 河原小屋手前の渡渉地点 |
12:20
やっとこさで通過し、河原小屋に着いたのがちょうどお昼だった。
僕たちを追い抜いて行った三人もお昼中だった。
ご飯を食べ、安芸さんからおしるこをいただく。あったかいのが何よりうれしい。
吊りハシゴ | 横ピンのトラバース |
河原小屋から狼平までは何度も渡渉を繰り返す。
ガスの中だ。テープを見失わないよう目を凝らす。
ここでも何度も靴の中まで水が入った。
最後の難所、ややオーバーハング気味の吊りハシゴに取り付き、横ピンを踏んで岩壁をトラバース。
全員無事通過。
「もうすぐやで」
沢に降り、またもや数度の渡渉。滑ったらやばそうな壁のトラバース地点は高巻いた。
靴の中にはもう何度も水が・・・ | もうすぐ狼平 |
14:50
狼平の橋が見えた。
三人を先に行かせる。
狼平の橋の下にて。やったね。おめでとう。 |
狼平の小屋で一本。靴を脱ぎさかさまにして水を出す。靴下を絞る。沢で水を汲む。
日帰りだし、やや時間もかかったから、八剣への直登ルートはいずれと言うことにして下山。できれば明るいうちにとやや早足になる。
穏やかな椈林にガスがかかり幻想的な中、三つの赤い雨具が先を行く。
静かな椈林の尾根。 |
16:20
熊渡への分岐を右に取るころから暗くなりだした。
ヘッドランプを出し、かすかな踏跡をたどる。
かなり降りたところで尾根をそのまま下った。途中でおかしいことに気が付き元へ戻る。
「どっち?」といいながら道を探す。
道は鋭角的に右に曲がるように付いていた。
17:30 熊渡林道終点。
18:00 熊渡。
いい時候かと思ったがあいにくの天気。
でも、全員無事通過できた。
天川温泉では男風呂は僕一人。女風呂も三人だけみたいだ。
「だーれもいてへんし、こっちおいでー」と雪ちゃんが言うけれども、さすがにそれは・・・。(^O^)