高原山・四寸岩山 (Feb.19, 2006)

 ここ二週間、閉じこもっていた。
 朝はパソコンで遊び、昼はサスペンスの再放送をはしご。夜は飲む。
 行ってみたい山がないわけではなかったが、閉じこもり癖がつくと、ついつい億劫になってしまう。
 きのうの土曜は好天だった。窓から外は見たものの、再びカーテンを引いた。
 
 夜になってD氏からお誘いがあった。
 「いいですよ。行きましょ、行きましょ」
 いそいそと準備をしたことである。不思議なことに気分はガラリと変わってしまう。
 日帰りだが、コンロ、コッヘル。冷凍うどんに肉、ネギ、薄あげ。

 川上道の駅に8時。円さん、のんぶー、かぎろひさんはすでに到着。ほどなくDOPPOさん、HAMAさん。そしてピッケル君到着。
 2台に分乗して登山口の福源寺へ。
 境内に入り山道に取り付く。
 意外にもこのコースの経験者は僕だけだった。2004年の三月の末に登ったことがある。
 その時は一人だったから慎重だったのだろう。迷った記憶もなく、すんなりと行けたのである。おおまかな記憶はもちろんあった。
 ところが、今回は分岐を間違えた。
 けれども、尾根に上がってしまえばむしろ近道になるからと、杣道なのか獣道なのか判然としないけれども委細構わずガリガリと登ることにした。
 のんぶー、HAMAさん、郭の三人が一緒になり、他の四人は引き返して別の道を行くことになった。OK、OK。
 内心、僕たちの方が早いと思っていたのだ。

 植林帯の中であり、切り株もある。人は入っているのだから杣道のようにも見えるが、やたら鹿の糞が落ちている。
 のんぶーは急斜面をスタスタと直登する。僕とHAMAさんはやや左に巻き加減に登ると浅い谷に出た。左へ谷を渡ろうかとも思ったが、のんぶーはほぼ真上にいるから谷に沿いながら登っていくと上は急斜面の岩場である。岩場の横に道らしきものがあったが獣道だったかもしれない。木の根を掴み攀じって岩の上に出た。HAMAさんは慎重に足場を選んでいる。
 HAMAさんも上がって来て「暑いわ。服脱ぐわ」。僕もセーターを脱いだ。
 尾根まであとわずかである。上にいるのんぶーに「尾根に出て待ってて」と声をかけ、僕たちも沢沿いに登っていく。落葉でふかふかの足元である。

 尾根に出たのんぶーが右か左かと聞く。おそらく左のはずだがその向こうに続く山があるかどうか。どうやら下る一方のようだ。すると右のピークから別の尾根なのかもしれない。
 そろそろ尾根にたどり着く頃、右から声がすると言う。
 尾根に上がるとたしかにこれは記憶にある縦走路ではない。と言うことは右のピークに登りそこから別の尾根が走っているはずだ。
 そのピークで別働隊の四人が待っていた。
 「あらあら、早かったですね。僕らの方が早いと思ってたのに」
 聞けば彼らも引き返したところの谷に沿って杣道があったらしく、それを登って「正規の」登山道をショートカットしたようである。

 高原山を過ぎるとゴツゴツした岩場を下る。
 登り返すあたりから、尾根を境に南斜面は植林帯。北斜面はリョウブが点在し展望が開ける。
 高見山、白鬚岳のきれいな三角錐が見えた。

白鬚岳

 四寸岩山直下は硬く締まった雪道だった。
 吉野の方から12時のチャイムが聞こえた。

四寸岩山山頂

 山頂から大天井、扇形山、柏原山方面が見渡せる。

四寸岩山より

 はるかに幾重もの山並みが美しい。
 一寸は3.3cmだとのんぶーが言う。四寸といえばおよそ13cm。13cmの岩ってどんなんや?
 素通しの西風が冷たく、集合写真のあと、戻って植林帯の平坦なところで昼ごはんにする。
 わずかの距離ではあったが下りではアイゼンを履いた。

 ビールを飲みながらテルモスのお湯を沸かしうどんを作る。
 のんぶーからソーセージやらみりん干し、DOPPOさんから天ぷらと餅。HAMAさんから薩摩揚げが回ってくる。
 いなり三個でお腹一杯になった。
 円さんは某ホームセンターで求めたらしいパイプ椅子に座っている。内心「これはよさそう」。

 下りは「正規の」登山ルートを歩いたが、一箇所、登る時に尾根の分岐があり、「ここに気をつけなあかんな」と思ったところで、案の定、その分岐に気が付かずほんの少しだがそのまままっすぐ下りかけてしまった。

(なお写真は、DOPPOさん、円さん撮影のをお借りした。ありがとさんです。)





円さん:高原山・四寸岩山

DOOPOさん:No.477 高原山から四寸岩山

HAMAさん:高原山から四寸岩山へ

ピッケル君:四寸岩山