小橡から又剣山、滝口尾根、笙ノ峰、木和田 (Apr.9, 2006)
地図を見ていると、又剣山から小橡へ下る尾根が目を引いた。標高差およそ1000m。これを登れたら滝口尾根を北へ歩き、笙ノ峰から木和田へ下山する。うまくいかなければ、引き返して林道ドライブになるかもしれない。
尾根は集落に向かって三つに分かれていて、「電子国土」でそのあたりの詳しい地図を印刷して取り付きの候補をチェック。
6時前に小橡に着き地図を見ながら取り付きの候補地点に目をやると石段になっていた。ここから行けそうだ。
笙ノ峰からの下山道は実線で描かれているからそれに従えばいいのだが、念のために大平瀬へ下る尾根の最終地点を見ておこう。川の向こう側だから橋があるのかどうか。そもそも道があるのかどうか。車を走らせると、どうやら道はありそう。橋はなかった。浅瀬ながら川を渡らなければならない。
引き返して水分神社の前に駐車。パンを食う。靴に履き替えるとき、山用の靴下を忘れていることに気がついた。引き出しから出したもののザックに入れるのを忘れていたのだ。風呂の着替えにもうひとつ入れていたから、薄手のを重ね履きすることにした。
小橡からの取り付き | 山躑躅? |
06:10 さあ、行くか。
06:15 尾根の取り付き点。
道はしっかりしていて、左側は桧の植林。鹿よけネットが張られていた。まだ若木のせいか明るい。まずは快適。
徐々に登ると今度は右側にネットがあった。道にはおそらくだがそのネットを張る際に伐採された細木や枝が放置されていた。道そのものは穏やかなのだが、踏んだり跨いだりよけたりしながら、歩かざるを得なかった。まあ、僕自身がウエルカムな客ではないのだ。鹿と思われる骨が散らばっていた。
小橡からの尾根 点景1 | 点景2 |
尾根上のネットに沿って歩くと、p776の手前の小ピークから北へ急斜面を下りかけた。こんなに下るはずはないと、地図を出し、周囲を見回すと尾根はどうやらネットの向こう側へ続いているようだ。引き返し適当なところでネットを跨ぐと、しっとりと落ち着いた杉の植林帯である。
07:25 p776通過。
日が射して気持ちがいい。ほどなくモノレールが見えた。モノレールの終点を過ぎると自然林である。尾根を外さないように歩いたせいか、藪も漕いだがわずか3mも離れていないところにすんなり歩ける道があったりする。
点景3 | 点景4 自然林 |
気が付かないうちにゼイロ山(p1058)も過ぎてしまったようだ。
進行方向側からもモノレールが走っていた。
やっと林道が見えてきた。 | 林道からの取り付き。 |
08:55 尾根を横切る林道が目前に見える地点で一本。
不明の尾根をクリアできてまずはひと安心だ。
昨日からの黄砂の影響だろうか。好天なのに視界がいまひとつぼやけている。
林道の山側はコンクリートの壁になっている。いったいどこから取り付くんだろう。
09:20 左へほんの数分歩いて低い壁があった。そこから登り、ふたたび尾根に戻る。又剣山はもう少し奥にある。
もうすぐ又剣山 | その2 |
やや風こそあったものの春らしい暖かさだ。自然林の中、空は広い。
09:50 又剣山。
標高差1000mを3時間40分だった。
又剣山山頂 |
又剣山から、滝口尾根、笙ノ峰方面。 |
谷を挟んで、東に南大台のコブシ嶺が見える。
滝口尾根はそのコブシ嶺周辺から南の一本木に下るあたりの感じによく似ていると思った。
滝口尾根点景1 | 点景2 |
丸塚山、p1208を過ぎ、p1320へ登るあたりは広々として人もいないし、いい感じだ。
滝口尾根 五兵衛平か? | 五兵衛平? |
p1320への登り | もうすぐp1320 |
11:25 p1320
さすがに疲れて、お腹もすいて倒木に腰掛けパンを食った。石予防と疲労回復にクエン酸のスティックを飲む。
HPに記録をアップロードすれば、マイナーなサイトながら仲間内を含む幾人かの目には触れることになる。ここだけはそっと取っておきたい、ちらっとそんなことを思わせた。
西には、黄砂の靄の向こうに大峰の稜線が見える。
p1320 |
これから笙ノ峰へ向かうけれど、地図を見ると西大台の展望台もさほど遠くない。いつだったか、panaちゃん、のんぶーたちと散策してお昼を食べたところだ。そこまで行ってぜひ繋いでおこう。そこでお昼にしよう。
クラガリ股から西へ取れば尾根伝いに笙ノ峰へ行けそうだ。さらに下って逆峠。ここから展望台へ向かう。徐々に大台らしい光景になる。
逆峠から展望台へ | 展望台 |
12:55 展望台。
昼ごはんを食べて引き返す。
逆峠から笙ノ峰方面へは巻道が付いているが、クラガリ股まで戻って尾根伝いに行くことにする。そのほうが展望がよさそうだ。
お尻の白い鹿が三頭ほど前を走る。
尾根から、さきほど歩いて来た又剣山から滝口尾根の稜線が見える。
笙ノ峰への尾根からp1320 | 同じく、又剣山から滝口尾根 |
14:20 小ピークを越え次のピークが笙ノ峰かとも思ったが、山名板がない。
帰る方向にもうひとつピークがあったけれどこちらの方が高そうだ。
歩き始めて8時間。さすがに疲れた。三本目のペットボトルを空けてしまう。
残りはあと500ml。
ここできょう初めて携帯が繋がった。
クラガリ股から笙ノ峰への尾根 | その2 ここで携帯が繋がった |
笙ノ峰 |
14:40 笙ノ峰。
次のピークだった。ふう、あとは下るだけだ。
しかし、ここからオーバーに言えば、思いもよらないドラマが待っていた。
小処温泉と木和田への分岐があり、それを木和田へ下る予定なのだが、その分岐が判然とせず、と言うよりもう少し下にあると思っていて下ると、標識は「小処温泉」を指すのみで木和田の文字がない。小処温泉へ下ると、延々と車道を歩かなければならない。
どうやら間違えているようだ。引き返そう。
15:35 分岐の標識まで戻ると、木和田へははすかいに山道に登るようだ。ここを見落としていた。登るのはいいが、そこには「山林崩壊のため通行不可能」の看板が立っていた。
木和田への分岐上にあった。通行不可能の看板。 | |
崩壊箇所 | 桜 |
そんなこと言われてもなあ・・・。だめなときは尾根に上がろうと、構わず看板を過ぎると、たしかに崩壊箇所があった。まず、土砂が被さって道がなくなっていた。あちこち掴み、木の根に足をかけてなんとか過ぎると、ごっそりと山抜け状態で崩壊していた。上を見ると尾根までかなりあり、しかも岩盤である。もともと橋が架かっていたようでそこに土砂が溜まっていた。四つんばいになって落ちないように靴を蹴りこみながらようよう向こうへ渡った。渡ったもののもはや人が入らない状態だから道は藪に戻ろうとしていて、判然としないところもあり登ってみたり下ってみたりしながら道を探すありさまである。よほど尾根まで登ろうかとも思ったが、さすがに疲れていてその元気がなかった。
おまけに今季初めてヘビを見た。やれやれ。
木和田下山地点 |
17:10 ようよう木和田まで下りた。途中車道が見えたけれど、それからもずいぶん長かった。
木和田からの入口にも通行不可能の看板が立っていた。
17:40 車道を歩き、水分神社。ふう。11時間半かかったぞ。