弥山川、双門の滝―初めての沢靴 (Jul.22, 2006)

 オールラウンドの山童子さんにお誘いをいただいて双門コースを。
 フェルトの沢靴と中に履くネオプレンソックスをお借りした。
 初めての経験だ。

 渡渉ポイントが数箇所あり、山靴だと濡れるのを嫌うし、濡れなくても滑りやすいが、この足元だと平気で水の中に入れるし、膝下まであるネオプレンソックスの高さまでの水位であれば、靴は濡れても防水だから足そのものは濡れない。靴の中に水が入っているのはわかるが足そのものは濡れていない、奇妙な感覚だった。
 靴は軽い。とくに急いだつもりはなかったがさくさく歩けたように思う。

06:30 弥山川へ。
06:55 ガマの滝

07:30
 沢横の岩場のへつり、昨年安芸さんやRINちゃんと行った時もそこそこの水量だったので高巻いた。今回はさらに増水。
 ここで山童子さんは、むしろ沢に入って岩に登られた。このあたりが感覚の違いだ。

岩場のへつり。水量多し。 はてしなくハシゴが続く。

07:40 一の滝
 ここを過ぎるとあとは数え切れないほどのハシゴを登りに登る。
 天気は晴れ。昨日まで降りに降ったが、明日からも降る予報。きょうは梅雨の中休みの一日だ。
The 双門の滝

08:50
 滝見平。双門の滝、きょうはよく見えた。
 迷ヶ岳への尾根から河原小屋へ下る。

10:05
 ほどなく絶好の休憩ポイント、エメラルドグリーンの沢に出た。以前の記録でも「青流 弥山川」と書いた。
 タオルを濡らし汗を拭く。Tシャツを脱ぎ水に濡らす。天気はいいし、ほどよい冷たさだ。
青流 弥山川 河原小屋への渡渉点

 河原小屋まであとわずか。山童子さんは沢を気にしいしい歩いておられる。
 「沢通しで行きますわ。河原小屋で会いましょう」
 そんなことだろうと思った。すぐ滝が見えた。
 「難儀してるに違いない。僕の方が早いかも」
 河原小屋はすぐそこ。沢は深そう。高巻くかと山の中に入るとなんとも歩きにくい。沢に目をやるとなにやら人影がある。どうやら山童子さんである。「あらあら、めちゃ早い」。仕方なく僕も沢に下り、ざぶざぶと渡渉。
 まだ11時にもなってなかったが朝も早かったので、お昼にする。
 天気もいいし、時間もあるし、大休止。

 狼平へは行かずに頂仙岳の向こうの鞍部へ登り熊渡へ下ることにする。
 斜面を登ると道が判然としなくなった。おおよその方向はやや右加減なのだがクラがある。仕方がないからほぼ直登。「うへっ」と思うほどの急斜面だ。ひょっとして頂仙岳へ登っているのかもしれない。適当なところで徐々に右にトラバース。稜線は見えている。鞍部を目指して稜線に乗ると、ちょうど頂仙岳を下って一般道の巻道との交点「ナベの耳に」出た。ほんとうの道はもうひとつ小ピーク(p1588)を栃尾辻側に越えた鞍部からあるはずなのだが、「まあまあ、ええんとちゃいますか」。

熊渡への分岐。ブナ林。

13:00
 熊渡への分岐でまたもや大休止。ここの椈林もまた何度きても気持ちがいい。
 冒頭に書いたように山童子さんはキャリア豊富なオールラウンドの人だが、ここしばらく沢の人である。
 僕やD氏E氏S氏などなどの仲間内はだいたいにおいて尾根の人である。
 「あちこちよう行ってはるなぁ。それどこやねんって地図見てますねん」
 そうはおっしゃるが、昨年の夏、北鎌尾根から大キレット、さらに奥穂から西穂へ縦走されたのである。そのとき槍のテント場で偶然にもお会いした。2月には狼平の小屋で会っている。

 熊渡へは速攻で下ったが、雨上がりの粘土質の急斜面で2回も転んでしまった。
14:25 熊渡
 黒滝で風呂に入り、帰路、山百合が咲き始めていた。