郭公、岩登りを見に行くの巻 (Jul.30, 2006)


 蔵岩で山童子一家の皆さんとお会いすることになった。
 面通ししておいた方がいいし、打ち合わせもある。
 しかし、蔵岩が気に食わない。いやな予感がする。(^O^)

 蔵岩は槙尾山山頂からほんのわずか西へ尾根を下った岩山である。
 近場では格好のトレーニングポイントのようだ。
 僕はかつてこのピークで昼ごはんを食べたことがある。もちろん、基部から岩場を登ってではなく、槙尾山山頂から尾根を伝って。

 で、待ち合わせは、滝畑側から登るのではなく、反対側から施福寺の近くまで車で入り、登山者用駐車場。
 バタヤンさん、芋焼酎さん、なごpさん、山童子さんと打ち合わせの後、
 「ほな行きまひょか」
 「・・・」
 打ち合わせも済んだことだし、昨日の疲れもある。僕は帰ってもよいのだ。
 が、それは薄情かもしれず、
 「ま、行くだけね」
 「岩場の横にピークまでの道、あるし」
 と言うわけで、蔵岩の基部までお付き合いをする。
 こちらから登るのは初めてだ。

 基部に着くと、山童子さんがなにやら登攀器具を腰に付けてくれる。
 「ゲッ」
 ハーネス、カラビナ、エイト環。
 馬子にも衣装とはこのことか。
 「ほな、三番目に郭公さん行ってくれるかな」
 「ご、ご冗談を」

蔵岩―基部からの登り

 まず、山童子さんが登り、バタヤンさんが続く。
 なごさんは先に上まで行って待っている。
 芋さんが僕を先導し、横の一般道を登る。
 岩場の途中にバンドがあり、先に登った山童子さんが、バタヤンさんをビレイ。

もう逃げられなくなった・・・。

 まずは全員ピークまで。
 ピークからは20mほどの壁があり、それを登り下りすると言う。
 「ほな、郭公さん、懸垂下降で降りてもらおか」
 「な、なにを言う」
 「わしら、初めてここに来て、肩がらみはこないすんねん、ほな降りてみ、言われて、降りたんやで〜」
 僕は高所恐怖症だ。
 そもそも小さい時から木登りもしたことがない。
 例えば、柿の木だって、兄が登って実をもぐ。それを下で受け取るのが僕の役目だった。
 高所恐怖症でも山登りくらいはできる。岩登りは別の範疇だ。

 と、言うわけで、4mくらいの緩斜面で懸垂下降の稽古である。
 エイト環にロープを通して、緩め方締め方を教わり、
 「こないすんねん」
 と、いとも簡単にロープに体を預けて下って行く。
 「やってみ」
 おそるおそる下ってみるが、どうしても手でロープを引っ張ってしまう。
 二度、三度とやるうちにそれなりに慣れてはくるがまだ心もとない。
 次に、器具を使わない肩がらみでの懸垂下降のやり方。
 ロープをまたぎ、胸前から肩へ。
 これも何度か降りてみた。
 
 「ほな、あそこでやってみようか」
 あそことは20mの壁である。さすがにそれは遠慮した。
 だいたい壁の縁までも怖くて行けないのである。

 皆さんは懸垂で下り、下から登る。
 僕はそれを遠くから見学の態である。

 はたして、僕に、この壁を下り、登れる日が来るのだろうか。
 ま、来なくてもいいけれど。(^O^)

 駐車場へ戻り、ビールだけはしっかりいただいて帰宅した。