でんでんどろりこ明神平 (Aug.4, 2002)
明け方雷がすごかった。雨の音もしていた。
眼が覚めて外を見ると地面は濡れていたが、雨も上がり、ごそごそするうちに青空も見えてきた。ザックにお茶、雨具、タオル、着替えを詰める。
途中のコンビニで弁当。
8時に吉野で、円さん、のんぶーさんと待ち合わせて東吉野へ。途中2箇所初めての道を通った。さすがジモティーだけが知っているショートカットだ。
明神平へは今年初めてだ。たぶん昨年秋の池木屋までの縦走以来のはずである。夏に来るのも初めてだ。
彦兵衛さんちの前を過ぎるあたりから猛烈に睡魔が襲った。ここ数日睡眠不足なのである。 昨晩は石川の河原で花火だった。これがまた、盛り上がってしまった。やっと最終電車に間に合った。
登山口で、のんぶーさんから「タフマン」を一本。アルミバイタルより効きそうだ。ジュースを凍らせたペットボトルを一本。
それにしても二人の足の速いこと。
僕は、すぐ汗がぼとぼとと滴った。
「これで、昨日の缶ビール一本分」
「これで二本分」
ふうふう言いながら二人の後をやっとこさ付いて行く。
上はガスっていた。雨になるかもしれない。
明神平へ上がると、明神岳、前山へ登る真ん中あたりまでガスが付いていた。鹿が一頭、ふっとこちらへ来かけて横へ逸れて行った。
明神岩のそばまで上がると二頭。
明神岳からぐっと下り桧塚へ向かう。この頃からガスは切れて行ったのか、奥峰に着くとからっとした陽射しだった。鞍部からは谷を挟んだ草付きの斜面に二頭見えた。
木陰で昼ご飯。「昼寝しようや」ってごろごろ。円さんに流星号の顛末を聞く。
この山行中、僕は「円さんは、けっこうごん太なんだ」ってことに気が付いてしまう。
のんぶーさん、「そうでしょう?ほんまにごん太なんやから」
桧塚を往復し明神平へ引き返す。四阿でふたたびごろごろする。
円さん、携帯のメールチェック。
僕はいまだにこの携帯に興味がない。仕事で持たされてるので、もちろん電話は取る。メールが入ればごそごそしながら一応読める。けれども携帯からメールは書いたことがない。メモリに番号を記憶させるのに、人の名前とか正しく入力できないままうっちゃっている。変換がうまくできないのだ。でもいい、僕がわかればそれでいいのだから。
ごろごろしていると鹿が一頭寄ってきた。
飲みきったペットボトルに水場で水割り用に500ml汲む。
やはた温泉はキャンプとか水遊びの子供たちで一杯だったが、風呂は思いのほか空いていた。
ビールを飲みながら、
「お盆休みはどうすんの?」
「そもそも、のんぶーさんと円さんとのなれそめは?」(誤解のないようにことわっておくが、のんぶーさんが円さんの所属する山友会に入られたきっかけは?という意味である)
なあんてことを話しながら、
「ほな帰ろか」
こんな休日もある。いささか速足ではあったけれど、「山行こか」「行きまひょか」。そんな気分で出かけた明神平だった。
ふたたび睡魔に襲われつつ、眠い眼をこすりつつ、車をこすらんように、東吉野から吉野、大淀、富田林と帰ったのでありました。
円さん:桧塚奥峰1420m(北部台高)