倶留尊山 (Sept.29, 2002)
インターネットで知り合った仲間たちばかりだから、誰もがハンドルネームを持っていて、ネット上ではもちろんそのHNで呼び合う。
知り合って丸二年。この間何度も山へ行ったし、何度も飲み会をやったけれど、呼び合うときはいつもHNだ。メールアドレスとか、趣味で作った個人用の名刺とか、正式な登山届などで、自然とそれぞれの本名も知れてくるが、HNで呼び合うほうがなぜかしっくりする。panaちゃんはpanaちゃんだし、安芸さんは安芸さんなんだし、RINはRINなのだ。DOPPOさんはDOPPOさんなのだ。HAMAちーやんはHAMAちーやんなのだ。
これも元々インターネットで知り合った特性なのだろう。
今回の倶留尊山は、当初前日からの鈴鹿テント泊の予定が雨のために、日曜のみの日帰りとなったものだ。金曜の夜から、雨だしやめとこう、いやいや行けそう、などなどの意見が出たが大勢としては中止の流れになり、日曜はなんとか持ち直しそうだから、土曜日中に行きたいところを決めようと言うことになり、いくつかの候補から決められたものである。
すべてインターネット上のやりとりで決まった。
参加者も15人といつになく集まり、「よお、よお」なんて挨拶しながら榛原から登山口へ向かう。
9月末の日曜のこと、決算月のために日曜出勤を余儀なくされたS氏、難しい話でよく分からないけれどもコンピュータプログラムの修正のために土日もないほど忙しくしているM氏など、行きたくても行けない事情を抱える仲間もいたことを付記しておく。
その中で半数以上の15人の参加である。
登山口へ着くとパラパラと降り出した。S氏の呪いではないかと誰かが言う。雨具を着けて出発したが、山道へ入るとほどなくして止んだ。
この倶留尊山の写真は何度か見ているけれど、僕自身は初めてだった。
亀山峠から見る曽爾高原。
「そうそう、これこれ」
なかなか気持ちのいい高原である。
「二本ボソ」で入山料500円を払い、いったんぐっと下って再び倶留尊山に登り返す。もうすぐ頂上のところで、12時のサイレンが聞こえてきた。
昼ご飯は、洋行帰りのhiro坊のお土産のワインが2本、あっと言う間に空になる。RINちゃんがかいがいしく酒肴を作る。2品。それに大根、きゅうりをスティック状に切ったもの。
DOPPOさん「あちゃー。弁当を車に忘れてきてしもた」
そうは言うものの、あちこちから「これ食べて〜」と。
わいわいがやがやにぎやかなことである。
三つ岩で、大洞山、伊賀富士の展望を楽しむ。下には僕たちが停めた車が見える。
西浦峠へ下る。
峠からは道幅も広くなり、前から後ろからアホな話が飛び交う。
「そうでしょ? ○○さん」
いきなり本名が聞こえてきた。
一瞬、誰もがきょとんとしたけれど、なぜか新鮮で大爆笑だった。
それからは本名合戦である。
「えっ? それって誰やったっけ?」
里へ下りて、白いソバの花やコスモスなどを写し、美榛苑で風呂に入った。
panaちゃん:曽爾高原〜倶留尊山