霊仙山−雪と紅葉と (Nov.10, 2002)
「さわやか沢デーズ」のpanaちゃんは超おいそが氏。
「この日だったら空いてるよ〜」と、今回の霊仙行きが決まったのはひと月以上も前のことだった。この間、panaちゃんはずっと沢の予定が詰まっていたのである。
彼女もまた年齢不詳であるけれども、体も気もまだまだ若い。新しいことに挑戦する気持ちがこの若さを保つ秘訣なのかもしれない。さらには、写真映りがいいのだ。某氏によれば「十年前の写真を使ってるんとちゃうか」と。
そのpanaちゃんを先頭に今回の13人のメンバーは今畑から山道に取り付いた。RINちゃん、TOHRUさんとは次回の山行の打ち合わせをしながら。千草茶箱入り娘とは、昨年の鈴鹿以来だと思う。武平峠で晩御飯を作ってくれた。春風亭大吟醸氏は、ひょっとすると昨晩もすっぽんを食ったのかもしれない。どんさんは相変わらず飄々とした身のこなしだ。HAMAさんは暑いのなんのと気前よく肌をさらす。保護者のモリ姉は先日山道具屋であれを買った、これを買ったと。HAMAさん、モリ姉ともどもブルジョワなのである。みるみるさん、みりあさんとは今回はじめてお会いする。百さんは、みりあさんのエスコート。しんがりは朴訥な旅人さん。旅人さんもいつのまにか滝壺にはまってしまっている。
雨上がりだったのか雪解けなのかしっとりとした山道だ。風も無く思ったより暖かい。きのうもずいぶん寒くここ三週連続で週末になると寒波が来た。きのう鉄山から弥山、狼平を日帰りでやったD氏、S氏の情報では大雪だったそうである。この霊仙周辺の山々も来る途中の車から遠目ながら白かった。
霊仙は僕は初めてで、醒ヶ井からだとばかり思っていたのだが、panaちゃんはこの今畑からの道のほうが好きだそうである。
高度を稼ぐうちに徐々に道は白くかつ深くなった。南に鈴鹿の山系が見える。
「雲が付いて山頂が見えないけれども、あれが御池ですわ」と旅人氏。
踏跡もなく登るのか巻くのか不明なところがあった。
「こっちちゃうか」とRINちゃん。さすがに場数を踏んでいるだけあってルートファインディングは上手い。
一本とったあと、近江展望台へは急登だった。雪の中を足を蹴り込みながら歩いた。振り返れば鈴鹿が、左には近江平野が望まれた。それにしても今年は雪が早い。
ガリガリと展望台まで登る。さてそこからどっちへ行ったものか。稜線の樹林帯の中を歩いてみたが、とてもじゃないが歩きにくい。違うようだ。
稜線よりやや下に黄色のテープが見つかった。
「よく見えるねえ」と感心すると、
「遠くのものは良く見えるねん」。誰とは言わないでおく。
そこから途中で知り合った青年も含めて交代でラッセル。
いまは高槻にお住まいだが出身はこちらだそうである。弥山川に興味を示しておられた。
「僕は行ったことないけど、仲間が何人かこの秋行ってきて、紅葉がめちゃきれいだったみたいよ」
少し遅めの昼食はpanaちゃんの中華風鍋。
春風亭大吟醸氏が、大吟醸『おんな泣かせ』を振る舞う。
みりあさんがきのこを。きのこの研究家なのだそうである。
RINちゃんが、もなかを。さくさくした皮に餡を乗せる。
モリ姉さんにホットウイスキーをいただく。
HAMAさんのシートはキンキンに冷えたビールの写真。「寒いっちゅうねん」。
ひと登りで霊仙最高点。伊吹が見える。残念ながら山頂には雲が付いていた。どんかっちょさん、ストックにカメラを装填し記念写真。
この頃から日が射してきた。霊仙山へは浅い鞍部を経てすぐのところ。経塚山へも浅い鞍部を登り返す。霊仙には幾つものピークがあった。もともと大きな山だったのが風化していくつかの塊がそれぞれの今の山頂部になったのかもしれない。
お虎ヶ池方面へ下山。風も無く日が射して雪道でも暖かい。僕はふと「お正月だな」って思った。まるでお正月の日和だ。
マユミ(と言うらしい)の赤い実が青空にきれいだった。
急な下りは雪が解けて滑りやすかった。
五合目あたりでは、雪の上の落ち葉がまるで錦鯉だった。
汗フキ峠から沢沿いに落合へ下る頃から徐々に暗くなってきた。
登山口でRINちゃんが日帰りでもヘッドランプは必携だと言ってたけれど、僕は一度も持って出たことはない。でも、なるほどそうか。
すっかり暗くなった林道を駐車場まで歩く。空には三日月が。
panaちゃん:雪の霊仙・西南尾根
HAMAさん:雪と紅葉の霊仙山
RINちゃん:霊山岳でプチ雪山