下辻山から七面尾 (May 24, 2003)


 言いだしっぺはのんぶーさんだった。
 「七面山へ石楠花を見に行きましょう」
 
 「前泊して、神仙平から奥駈に上がり七面へ回るのもいいねえ」と某氏。
 「それやったら、土曜日、下辻山をやってテン泊したいなあ」と僕。

 和歌山、四日市、大阪各所、奈良各所から「わたしも」「おれも」と、それぞれの思いが交錯して調整役ののんぶーさんもさぞ大変だったことだろう。
 かくして、下辻山組、前泊組、当日組と合計14名が参加することになった。
 神仙平は僕は初めてで楽しみにしていたところ、急な用事が出来てしまい、結局前日の下辻山だけ参加することになった。う〜ん、残念。
 
 朝6時半、どんさんと合流し、篠原に着いたのが8時45分頃。
 林道を走りながら登山口をさがす。行き過ぎたようで引き返しながらゆっくりと見ていくと赤いテープがあった。
 「ここですね」
 次に、車の置き場所をさがす。
 川を挟んで学校がありその隣に駐車スペースがありそうだ。すでに二台停まっていた。
 赤い篠原橋を渡る。
 「いちおうゆうとかんといかんでしょうね。土曜日やから授業やってるかな?」
 と校舎の入り口へ行くと鍵がかかっていて、窓が割れているところもあり、どうやら廃校になっているようだ。
 駐車している車の一台はキャンピングカーだ。朝ごはんの後といった様子で所帯道具がそのままになっている。だが人はいない。釣りなのかもしれない。
 「じゃあ」と僕たちも遠慮なく停めさせてもらった。

09:05
 杉の植林帯の中を登り20分ほどで自然林、ふたたび植林帯の中を歩き、林業用モノレールをまたぎ、10時10分、p1100を巻き尾根に出ると緩やかな自然林の尾根になった。滝のホラである。とてもいい道だ。
 ブナそのほかの大木がいくつもある。そのたびに感嘆することしきりである。
 倒木もあり、また途中から折れているのもあった。
 「雷なんでしょうか」
 そうか、雷は神鳴りなんだ。龍神。水の神様。
 斜面にはギンリョウソウがあちらにもこちらにも。

ギンリョウソウ 巨木


 下辻山と七面尾の分岐を右へ。下辻山山頂はもうすぐだ。
 この頃から小粒ながら雨になった。

11:15 
 ヘリポートを過ぎ下辻山山頂。
 山頂には反射板がふたつありフェンスで仕切られていて、ガスのせいもあり、あいにく展望は利かなかったが、いつだったか中の川出合からの撤退後、やっとリベンジできた。中の川出合からの道とはえらい違いでスムーズに登れた。
 僕もどんさんもDOPPOさんもその撤退組なのである。DOPPOさんはあいにく用事のために午後から来られることになっている。
 
 ヘリポートへ戻りその下で雨宿りしながら昼食。
 どうやら雨具を着けたほうがよさそうな気配になってきた。


11:50
 下辻山から七面尾へ。
 比較的新しい動物の足跡があり、土を掘り起こした跡がある。鹿だけではなさそうだ。土を掘り起こしたのは「イノシシじゃないかな」とどんさん。
 このどんさん、なかなかの健脚なのである。

12:40 p1356

p1356
 ここが中の川出合と七面尾の分岐になっている。いつの間にか雨も上がり、晴れ間も見えてきた。雨具を脱ぐ。
 少し下ったところから、七面の東峰、槍の尾、西峰が見えた。
 篠原へ下る分岐を過ぎ、p1265を過ぎるともうすぐ林道と出合うはずだ。

13:50 
 七面尾と林道との出合
 思ったより早かった。この尾根筋も比較的緩やかでとても気持ちのいい道だった。
 一本取り、
 「どうしましょうか? 七面山の方へ歩いてみます?」
 「そうしよう」
 DOPPOさんに5時ごろここに迎えに来てもらうことになっている。まだ時間は充分ある。
 念のためにザックを置き、どんさんがメモを残す。

 七面山登山口からの道と合流するところまで行けば、僕としては奥駈から七面山、下辻山が繋がる。
 林道で分断されているとはいえ下辻山から同じ尾根になると思うが、藪はあり徐々に痩せ尾根になってきた。こちらのほうが人は少ないようだ。先日の鍋冠行者から大所山の尾根に似てきた。
 石楠花がちらほら咲いている。

 「あれ? 人の声がしませんでした?」
 「なんかそんな気がするね」

 青い服が見える。三人休んでおられて、そこがp1397、七面山登山口との合流点。一時間弱で来れた。
 話をするうちにDOPPOさんのHPをよく見ておられるようで、
 「なんや知ってはるんですか〜。僕らの連れやがな。今日もきはりまっせ〜」
 と盛り上がってしまった。

15:55
 再び林道出合へ。
 「歩いてるうちに会うでしょう」とつづら折りの林道を下る。

 4時40分ころだったか、DOPPOさんの車が上がってきた。
 湯ノ又で、百さんとピッケルさんはテントの設営中。二人とも嬉々としている。
 ピッケルさんはあのダッチオーブンを持って来ていて、テントは大きめのタープで屋根ができていた。まるで、アウトドア雑誌のグラビアみたいだ。

 ここから中尾尾根へ取り付くのだそうだ。
 ここもぜひ行ってみたい。

 篠原小学校まで送ってもらうとキャンピングカーの主が晩御飯の準備中。
 DOPPOさんと彼らはいままでにも何度かこの界隈で会ったことがあるらしい。
 「あれ?」
 とここでも話が盛り上がる。

 DOPPOさんとどんさんはテント場へ。僕は仕方なく反対方向へ。途中、殿野の龍神でペットボトルに水を汲んで帰った。


どんかっちょさん:下辻山、神仙平、船のタワ、七面山へ
DOPPOさん:NO,373 神仙平から舟のタワ、アケボノ平へ