黒戸尾根から甲斐駒、鳳凰三山 (Jul.22/25. 2005)

四日目
7月25日(月)四日目:鳳凰小屋から御座石鉱泉へ下山。

04:30 起床。朝焼けの空だった。
05:20 小屋に挨拶をしていよいよ下山である。久々の青空だ。
 御座石鉱泉まで3時間半。まだまだ長い。あわてず下ろう。

オベリスク ガスってきた・・・

06:00 オベリスクと甲斐駒がきれいに見えるポイントがあった。うまい具合に携帯も繋がった。一本取り、仲間内にメールを書いていると雲が上がって、あっと言う間に甲斐駒もオベリスクも見えなくなった。
06:50 燕頭山。
 笹の原を過ぎ、またもや雨になった。しっとりと濡れた森の中を下る。
 「朝焼けは漁師の悲しみ」って言うしな・・・。

ホタルブクロ 燕頭山の笹の道
結局のところ、今回の山行を象徴する風景だったのかなぁ・・・

08:00 西ノ平だろうか。
 でももうあとわずかだ。気を抜かずに下ろう。
 雨も上がり、建物が見えた。御座石鉱泉に違いない。やっとフィナーレだ。

黒戸尾根登山口に活けてあったのより甘い匂いだった。咲き始めだったからかもしれない。

 カーブを曲がると足元に白いものが見えた。「ん? あれっ? ヤマユリじゃないか」
 自生のを見るのは生れて初めてである。感動した。ササユリと同系だが少し甘く感じる。写真を撮ってさらにカーブを曲がると、「あらあらあらあら」。あちこちに咲いている。ちょうど御座石鉱泉の裏、山道に入ったところである。これは写真を撮らなければ。藪の中に入って撮っていると犬に吼えられた。

すまし顔である。
シンテッポウユリか? 香りは淡い。

 聞きつけてご主人が犬をしかる。
 「噛むの?」
 「いやいや噛みはしません」
 奥さんだかお姉さんだかも出てこられて、「きのう咲いたとこ」。
08:55 御座石鉱泉。「ふう」
 切花だったが登山口でヤマユリに迎えられ、最終日下山地点でもヤマユリに迎えられた。
 偶々、ここしばらく、漱石の『それから』に出てくる百合は何だったのかと考えていた最中だから、とても感激した。
 風呂に入って、ビール。
 登山口までご主人に送っていただいた。博識な方で、車中、古代文明から西欧の事情、ケネディ一家の悲劇にまで話が及び、ついには邪馬台国論争まで広がった。邪馬台国については大和説のご主人に負けてはいられない。ここ20年に亘る薀蓄を全て語りきれないうちに登山口に着いた。「ぜひまた」と言うことでお互い深々と礼をして別れた。

 歓迎の花はヤマユリから紫陽花に変わっていた。

 帰りにテッポウユリらしき白い百合が道路わきに咲いていて、また庭先にも咲いていたので写真を撮り、小淵沢インター手前で「ほうとう」を食べた。

 さあ、帰ろう。