二上山から葛城山―新年会登山 (Jan.9/10, 2011)



1月9日(日) 
 久しぶりに二上山から葛城山まで歩いてみる気になった。距離は長いが藪を漕ぐ必要もない。しっかり歩いてみよう。

登山口の倭文神社 二上山へ

10:00 二上神社口
10:10 倭文神社
 低山とは言え、山を登るのだからきついのはきつい。
 山道についてはもはやあいまいな記憶だった。

悲運の皇子に思わず手を合わせた


11:00 雄岳山頂。
 大津皇子の墓がある。
 明治期に造営されたそうで、本当の大津皇子の墓ではないが、姉の大伯皇女の歌に、
 (大津皇子の屍を葛城の二上山に移し葬る時に、大伯皇女の哀傷して作らす歌二首)のひとつ、
・うつそみの 人なる我や 明日よりは 二上山を 弟と我が見む(万葉集165)
とあり、二上山のどこかに葬られていることは事実である。

 以前の話だが、山頂で整備基金として200円徴収されていたお兄さん(二上神社の方か?)から教えていただいたのだが、下の倭文神社から右へ入ったところに廃寺跡があり、その近くの細い沢のそばから金銅製の骨壷が出たのだという。それが、大津皇子の墓であると。かつて二度見に行ったことがあるが、小さな石塔に花が供えられていた。
 大津皇子の父の天武天皇、持統天皇合葬陵からも金銅製骨壷が出ているから、大津皇子も火葬され金銅製骨壷に納骨されていてもおかしくはないが、出土地が沢そばであるし、盛り土もなく、密かに葬られたような印象である。骨壷とは言え、沢のそばに埋葬されていたこと、詞書の「屍」から考えれば、果たして火葬されたのかどうかも疑問ではあるが、悲運の皇子に心情を寄せる人々によって他者に知られないよう密かに葬られたということはあるかもしれない。それは、法隆寺夢殿の聖徳太子のイメージと言われる救世観音とも共通する思いのようなものだったかもしれない。
 天武の血脈は、この大津皇子だけではなく、長屋王もまたいわれなき謀叛の嫌疑をかけられ結局とだえ、天智、持統系の血統が天皇家として生き延びる。天武系はいわば負け組なのだ。同様に、蘇我の傍流に位置する厩戸皇子(聖徳太子)もまたその息子、山背大兄皇子の代に滅ぶ。

葛木坐二上神社 本殿はなく木が植えてあった


 山頂の、葛木坐二上神社はたしか風の神様を祀っている。拝殿から中を覗いてみると本殿はなく、四角く区画された中央に木が一本立っていた。僅か十数年くらいの樹齢であるからそれ以前はどうであったかよくわからない。小さな祠があったのかもしれない。

おかげさまでもう10年のお付き合い

11:10 雄岳から雌岳への鞍部に下る途中でDOPPOさんと会った。自宅から歩いて雄岳のどこかから一般には知られていない道をふたがみパークまで。そこで何人かと合流して、再度葛城山へ向かわれる予定だ。

かすかに奥に見えるのが葛城山。手前が岩橋山。

11:20 雌岳から岩橋山の向こうにかすかに葛城山が見える。二上神社口からざっと6時間くらいではないかと思うが、なんだかだいぶ遠いぞ。

 岩屋の上を通って竹内街道へ下りダイトレに沿う。道標がしっかりしているから迷うことはない。山仕事の人たちが何人かおられた。間伐をしないと幹が大きくならないのだとか。間伐した材木は売り物にはならんだろうと。それほど手をかけて育てた杉も手間賃を考えれば幾らにもならない昨今らしい。

 穏やかだった道も、平石峠、岩橋山が近づくにつれてアップダウンがきつくなる。岩橋山への登り、ここもまた峠へぐっと下って再び登り返すが、この前後がもっともきつかった。

中間点。ここで昼食。まだ6kmもある。ふう。 岩橋山を過ぎる頃から雪景色。

13:00
 葛城山へ6.1kmの道標地点で昼食。さすがに疲れた。おにぎりを食いながら地図を広げる。ほぼ中間地点だ。あと6kmもあるのか。まだ岩橋山の手前である。いちおう6時間の予定だったが、日暮れまでに着けるのかちょっと不安になった。
 
 岩橋山を越えると雪も目立つようになったが、峠から登り返した後は、道は比較的平坦だ。

14:50 さすがに疲れて風裏で一本。道標から推すと山頂まであと2kmくらいだろう。山頂直下に階段の急登がいくつか残っている。

木漏れ日

 ほどなくして、新道ルートのHAMAさん、くみさん、森の音さん、スロトレさん、DOPPOさんたちと合流した。
 
15:50 葛城山山頂
 「ふう」
 ほぼ予定通りだったが、きつかったぞ。

1月10日(月)

 
08:50 集合写真の後、それぞれがそれぞれのルートで下る。
 hiroさん、milionさんは再度金剛山に登るとか。
 ピッケル君、どんかっちょさん、HAMAさん、くみさん、スロトレさん、DOPPOさんは、九品寺方面へ。

青崩へ下る


 僕は、タンタン幹事長とロープウェイで下りるつもりだったが、RINちゃん、森の音さんの青崩ルートに同行した。
 下って青崩のベンチに座っているとタンタン幹事長が車を回してくれて、送っていただいた。