再び高塚山へ―泉谷北尾根より (Jan.31, 2004)


 先週高塚山へ行ったが、「もうちょっとで高塚山だつたのに」と書いたように、僕は山頂手前で撤退したものと思っていた。かなりの雪だったから時間がかかったし、いくつか通り過ぎたピークには山名板がなかったからだ。
 二日後くらいだったか、改めて地図を見て、DOPPOさんの記録も読んでみると、僕はほんとうにピーク手前で撤退したのかどうか疑問に思えてきた。ひょっとすると気がつかないうちに通り過ぎてしまってたのではないだろうか? 目前で撤退したピークはひょっとするとp1418ではなかったか?
 ぜひ確かめておきたいところだ。雪が解けてからでもよかったが、先週より雪は少ないだろう、先週のルートではなく、高塚山へ直で行ける泉谷の北尾根から行けば早そう、ほかに行きたいところもなくはなかったけれど、思い立ったがなんとやら。
 では、行ってみよう。

この階段を登った p1213の下あたり

08:40
 今回の登山口は泉谷を渡る橋の手前だ。たしか、モノレールが走っていた。
 「そうそう、ここここ」
 階段を登ると道は左のモノレールと交差した。明瞭な道ではない。日当たりのいい斜面だから雪は日陰にわずかに残っている程度だ。高塚山はかなり左だから左を意識しながら登るけれども、倒木を跨ぎ、避けながら道と言うより杉林の斜面をあっちへ行ったりこっちへ行ったり。地図にある谷を渡り、かすかに道らしく見える踏跡に従い登るとモノレールが横へ走っていた。
 「あらら、それやったら最初からこれに沿ってればよかったのか」
  モノレールは高塚山の方へ向かって緩く登っている。尾根のかなり下を巻いている。それに従い気持ちよく登っているとどうやら先で下っている。
 「あらあら、これはいかん。上へ行かなければ」

ブッシュをかきわけながら登る 北尾根から高塚山

 モノレールを離れ、まったく道らしくない斜面を木の枝をつかみ、ブッシュを払い、ザックをひっかけながら登る。木の枝はポキポキ折れるし、足元は枯れた笹で滑りやすい。
 「やれやれ。でも尾根へ出ないとどうしようもない」
 かなりな急登を強いられた。
 左は泉谷上流部の谷である。この谷を挟んで見えるのが高塚山。

10:45
 ようよう尾根に出ると、たぶんp1213へ出た。斜面にはほとんど雪はなかったが、尾根上にはたっぷりあった。ひざ下くらいだったがところどころには吹き溜まりがあり足を取られてしまう。
 いったん浅い鞍部に下りる。ここでワカンを履く。
 高塚山へはこの尾根に沿えばいい。
 距離としてはたいしたことはないはずだが、雪が深くなかなか先へ進めない。急登に差し掛かると股下あたりまでの雪になった。ずるずる滑る。
 踏跡のない尾根を風が通り雪面にきれいな風紋ができていた。

12:10
 木の枝につかまったり巻いてみたり四つんばいになったりしながらやっとこさ山頂にたどり着いた。
 地図的には、ここが高塚山のはずだ。山名板は見当たらない。地図では三角点があるはずだが雪に隠れてるのだろうか?
 見回しても先週ここを通った記憶がないし、それらしいピークは近くにはない。
 p1418の方へ少し歩いてみたがやはり記憶がない。
 ってことは、やっぱり通ってなかったのか。

地図的にはここが高塚山山頂

 さあ、どっちへ下ろう。
 さっきのブッシュを下るのは気が進まなかった。だいいち道なんてないんだし、どう下りていいかもわからないから、先週の道を下ろう。
 そう思って10分ほど歩くと、杉の樹林帯との境のピークに来た。
 「あれ? ここは先週ワカンを履いたとこやん。ってことは、さっきのとこ先週通ってるよな。ってことは、気がつかないうちに高塚山のピーク、通ってたんや。なんやそうやったんか」
 記憶はなかったけれど、ここでワカンを履いてからも相当歩いたはずなのである。

 気をよくしてぐんぐん下って行ったが、当然のことながら先週のように僕自身の踏跡があるわけではない。きれいな雪の上を歩いているし、記憶も定かではない。
 途中で、僕はひょっとするとp1194から泉谷の方へではなくp945の方へ行ってしまってるのかもしれないと思いはじめて、尾根を気持ち左へ左へと歩いた。杉の樹林帯の中であり、伐採の跡もあるから人が入っているのは間違いない、河合側へ出るかもしれないがそのときは国道を歩こう。
 でも、左を見ると北尾根が見えるから大筋においては泉谷の方へ下りているはずだ。
 雪の斜面をぐんぐん下ると道があった。その道に従うと、モノレールの終点に着いた。
 でも、これは先週見たのとは違う。先週はここで昼ごはんを食べたから覚えている。もっと緩斜面だった。高塚山にはいくつモノレールが走ってるんだろう。そう思いながら付かず離れず道に沿うと沢に出た。沢の向こうには見覚えがあった。そう、今朝そこまで歩いてきたのだ。そこから上へ、尾根へ登ったのだ。
 「なんだ、朝のモノレールと繋がってたんだ」
 
 日当たりのいいところで、おそがけの昼ごはん。正面には台高方面が見える。
 あとは忠実にモノレールに沿って林道まで下りた。
14:10 林道。