黒戸尾根から甲斐駒、鳳凰三山 (Jul.22/25. 2005)
三日目
7月24日(日)早川小屋から鳳凰三山、鳳凰小屋。
04:30 起床。青空。
何を食おう? そうめんを湯がいた。水にさらして冷たくして食べるところを面倒だから熱いままつけ汁で食べた。
もう一日だ。
05:30 雨具を着けて小屋のお姉さんに挨拶して出発。小屋のまかないはもうひとりお兄さんがいて、水場でお会いしたがこの方もやさしい人だった。
木漏れ日 | 北岳 |
樹林帯に日が差す。しっとりと本当に落ち着く。
展望の利く尾根から北岳がきれいに見えた。
06:00 広河原峠
甲斐駒 |
07:10 赤薙沢ノ頭。
地蔵岳のオベリスクが指呼の間だ。八ヶ岳が雲海の上に見える。
高嶺への登りに数人が見える。僕より少し先に早川小屋を出た人たちだ。ずいぶん差がついてしまった。
でも、きょうも標準タイムで7時間くらいの行程なのだから急ぐことはない。
地蔵岳 | 雲海に浮かぶ八ヶ岳 |
07:40 白鳳峠。
高嶺までの登りはわずかの樹林帯を抜けるとハイマツ帯であり、気持ち良さそうだ。
甲斐駒も北岳もガスに包まれていたけれど。
09:10 高嶺。
最後のトマトを食う。
ここからは花崗岩のザレた快適な稜線歩きになった。
高嶺から地蔵へ | 地蔵鞍部のクルマユリ(オニユリかも?) |
林立するお地蔵さん | 岩の間に咲く花 |
10:25 地蔵岳分岐
空身で往復しよう。この間、テントそのほかを出して乾かすことにした。ここで雨具も脱いだ。
鞍部にはお地蔵さんが林立。なんだか賽の河原みたいな感じだった。
クルマユリが咲いていた。
11:55 鳳凰小屋への分岐
ずっとガスの中だったけれど砂地の中の踏跡をたどる。
観音岳 | 薬師岳 広い山頂部だった。 |
12:30 観音岳。
一本取って、ここにザックを置き空身で薬師まで。
さすがに空身だと早い。途中で単独のおじいさんを抜いた。30分のところを20分で着く。「ここか?」広い山頂部である。
13:00 薬師岳。
携帯に記録を書き込んでいるとさきほどのおじいさん。
キャリア充分である。遅いから単独にならざるを得ないのだと。その点は僕もまったく一緒だ。
薬師小屋から何人か上がって来られた。天気については、小屋のご主人の話では当分こんな天気が続くだろうとのことであった。話し振りから九州でも間違いなく熊本からだろうと思われ、聞いてみようかとも思ったが、まあ、遠慮しておいた。
観音岳に戻りザックを背負い引き返す。
やっと登りは終わったのだ。あとは下るだけである。
やっぱり、昨日のロングコースがなんと言っても核心部だった。ただただ歩いたに過ぎないが、まさに南アルプスだった。
鳳凰三山の稜線(小屋への分岐) | 鳳凰小屋への下りで |
14:10 鳳凰小屋への分岐。
下ると、わずかながら雨になった。雨具を着けるほどでもない。
道はかなり傷んでいて、なんだかまだ道として熟していないようにも思われた。
沢の音が聞こえ、岩場にかけられたハシゴを下る頃、小屋が見えた。
沢を跨いでようよう最後のテン場である。明日は帰れる。
15:10 鳳凰小屋。
受付へ行くと鬚のお兄さんがギターを弾いている。
「さっさとやってくれればよさそうなものを」、そう思っているとアルバイトのお兄さんが来た。記帳すると、ギターのお兄さんが「なに? 七丈から? 黒戸尾根の?」「ええ」「あそこいいよね〜。山のエッセンスが全部詰まってる。年に一度は必ず登るんだよね」
奥の間でごろんと横になってた人がいた。「七丈から?」むくっと起き上がってそう言ったかと思うとまた横になってしまった。たぶんこの人がご主人かもしれない。
テントを張るが、食欲はあまりない。酒だけ飲んで寝てしまった。暗くなって目が覚めたが、スパゲティを湯がく気にもなれず、パンを少し齧り、また寝てしまった。
四日目(7月25日)へ