南奥駈―釈迦ヶ岳から玉置山へ (May 3/5, 2007)

初日:旭登山口から剣光門(笹の宿跡)


5月3日(木)

 
峰にはサザンが似合う。
 行き帰りによく聴くからだが、きょうも聴いていると、ここ数年、何も変らず、僕自身年を取ってないんじゃないかと錯覚を起こしそうだ。

 朝4時50分に自宅を出て玉置神社へ。折立で崩土があったらしく十津川温泉まで迂回しなければならなかった。
 玉置神社で7時40分。昨日山に入ったピッケル君の車に乗り換えて釈迦ヶ岳登山口へ引き返す。彼は、玉置神社から釈迦へ向かい、僕は逆に釈迦からこの玉置神社へ歩く。
 国道168号には新しいトンネルができていてちょうど旭口の林道への分岐へ出る。
古田の森へ 釈迦ヶ岳―五百羅漢
09:50 釈迦ヶ岳登山口
 
車状態である。路肩に停め、では行くか。
 水3L、二泊三日の装備。久しぶりに重いザックだ。好天。
 千丈平への穏やかな山道にはバイケイソウの緑が映える。もう何度も歩いた道だが、きょうはとくに木々がよりまばらになったような気がする。ブナの若葉がまだ出てないせいだろうか。ひょっとすると山のと言うより木々の寿命が近づいているのかもしれない。

11:35 千丈平の水場
 自宅の水道水を捨て、山水に詰め直す。その間、昼食。
 深仙宿への巻道を歩くと、もう何年前になるだろうか、入定された某氏の碑があった。
 初めて深仙宿で幕営したのがたしか1996年だった。そのとき、すでにその話は聞いていたから少なくとも11年以上前のことになる。

12:00 深仙宿
 ほんの少し大日側へ登って振り返ると釈迦ヶ岳の五百羅漢が見える。 
 以前は前鬼から登っていたが、最近は旭口からばかりなので何か新鮮だった。釈迦ヶ岳の峻険な一面だ。
太古の辻 南奥駈道―嫁越峠から地蔵岳へ
12:20 太古の辻
 
ょうのテン場、剣光門(笹の宿跡)まであと三時間。きのう行仙小屋まで行ったピッケル君はもう着いているかもしれないな。待ちきれなくてこっちへ歩いてるかもしれんぞ。
 石楠花岳、天狗山、奥守岳、地蔵岳(子守岳)、般若岳への道は、旭登山口から古田の森、千丈平への道と同じ趣である。広々として気分がいい。
随所に咲いていた 剣光門にて
15:30 剣光門(笹の宿跡)
 
面に涅槃岳を見つつ鞍部へ下ると黄色のツェルト。いたいた。
 「だいぶはよ着いたんとちゃう?」
 「昼過ぎには」
 「それでも、きのう行仙までよう行けたね」
 テント設営後、さっそく飲む。
 「座るとこ作っときましたよ」
 なるほど、倒木を並べ向かい合って座るようにセッティングされていてその間でコンロを焚いた。
 葛川辻の水場を聞くとどうやら谷へ真っ直ぐ下りたようだ。二日のメールでは一時間かかったとあったのでかなり細いのかと思っていたが、随分下って登り返したのだからさぞ大変だったろう。
 「北側に笠捨の方へ巻く道があって小さな尾根をいくつか跨ぐと水場なんだけど」
 「(奥駈全縦)最後の熊野本宮やけどさ、川に向かって大鳥居があるから、その前でフリ○ンで斎戒沐浴しようや。そやから暑い時に行こうぜ」
 ピッケル君、承諾してくれたんかどうか。(^O^)
 彼は海外出張を目前に控えていたので、2日に有休を取り一日早く入山したのだ。僕は僕でその日休んで同行できなくはなかったのだが、まあ、いろいろある。
 500mlの焼酎を半分ほど飲み、ご飯を食べると羽毛のシュラフを被って即爆睡。ヘッドランプは使わなかった。


二日目:剣光門から葛川辻へ